国内の各製薬会社は臨床試験所に臨床試験の実施を委託しており、実際に服用する新薬は有名製薬会社のものがほとんどです。どの製薬会社の薬を服用するかは試験ごとに異なり、試験前の説明会のときに分かります。世界に目を向けてみると、欧米企業を中心にグローバル規模での企業再編が進み、米国では世界売上高No.1の会社がNo.9の会社を統合し、超巨大製薬会社が誕生しています。これほどまでにスケールの大きな企業が生まれる背景には、新薬開発の競争が激化する中、研究開発力を強化して画期的な新薬を創製することで、世界のマーケットで優位 に立ち、持続的な成長を目指すことが企業戦略のキーポイントとなっているからです。
重大な副作用は、治験を依頼した製薬会社から国に報告することが義務付けられてい る。治験に参加している患者の安全を確保するために、治験計画の見直しなどの対応が図られる。日本の製薬会社も世界の潮流と無縁ではいられません。豊富な資金力と新薬を背景に攻勢を掛けてくる外資系企業と日本市場で競争する一方で、市場性の高い新薬を開発し、海外展開を積極的に進めていくことが経営戦略上の重要な課題となっています。
製薬会社にとっての社会貢献活動というのは、本業とは別個の活動ではなく、本業と車の両輪の関係にあります。「薬を提供する」という活動で利益を上げ、その利益の一部を社会に還元する、という流れが、会社的にもかなり納得しやすい風土にあるといえます。日本には世界でも優れた国民皆保険制度が存在するため、「医薬品へのアクセス」というのが社会的な問題になりにくいのですが、世界を見渡すと例えばアメリカのような先進国でも、貧困層はお金がなくて医療保険に加入できない、医薬品が買えない、という事態が発生しているのです。そうした状況を改善し、支援していくことが、製薬会社の使命であると考えています。